海外のホラー映画とマイホームの構造について

どのようなものに恐怖を感じるかという問題は、そのまま各国の文化的背景を反映する。海外では、ポルターガイストというか、「自分の家の中の家具が勝手に動く」みたいなホラー映画のジャンルがあることに気づく。せっかく苦労して手に入れた自慢の俺の家に、変なものが住み着いている。曲者は、退治せねばならん。そういう考え方がある。自分の財産、とりわけ固定的で自分のステータスを示す「住まい」に対しての愛着が日本より強いように感じられる。

日本は、木造の家屋が多く、ひとつひとつの空間が狭い。また、ふすまや布団といった移動可能な家具というのが多い。これは日本の狭い国土から派生した、生活の知恵だ。それに対してアメリカなどの家は、床面積がとても広く、頑丈で、部屋の壁は移動することができない。とても堅牢な作り。外部に対して閉鎖的、と言えるかもしれない。敵が入り込む余地がないのだ。そんな絶対不可侵な自分の聖域に、悪魔が潜んでいたらどう感じるか。結論として、ポルターガイスト系の洋画は、欧米人の「自分の家に対するプライド」の裏返しなのだ思う。
話はそれるが、棺桶というのもドラキュラ系のホラー映画ではよく出てくる。これも、ある意味では「死者にとっての絶対的なマイホーム」なんだよな。頑丈な監獄のようなイメージ。日本だったら、骨壷なんてホイホイ抱えて持ち歩けるもんな。

欧米では、「それぞれの人間がいるべき場所」の割り振りが決まっているのだ。
死者は死者の家に。俺は俺の家に。

<補足>
ちなみに、「アザーズ」という映画を見ていたら思いついたことです。

ブクログを始めました

僕がこのブログを始めたひとつの理由に、「読んだ本を忘れないため」というのがあった。とりあえず読んだタイトル、あわよくば感想を書き溜めておかないと、最近鈍りぎみの自分は同じ本を購入するというミスを犯してしまうかもしれない。という危惧のためであった。
しかし、ブクログという便利な、しかも本をずらーーっと並べた時の達成感まで満たしてくれるようなサービスがある以上、もはやこのブログは存亡の危機に瀕している。ブクログなんかに負けないんだから!!><URLなんて貼ってやらないんだから!!
http://booklog.jp/users/garashas 

今週のお題「生まれ変わったら○○になりたい!」

私は生まれ変わったらくらげになりたい。
一、 くらげは自由な存在である。
波にあらがうこともなく自由な存在である。
一、 くらげは透明な存在である。
何ものにも染まらず常に透明な存在である。
一、 くらげは中華風に仕上げるとおいしい。
ごま油と唐辛子の辛さがおいしい存在である。
私は生まれ変わったらくらげになりたい。

ダイソーで買い物

 自分は、実は無類の100円ショップ好きです。いろんな分野のアイデア商品が一同に介しているので、思わぬ発見があります。100円という枠組みから、世界を見てる感じがいいですね。そんな中でも必ずチェックするのが、文庫本とCDのコーナー。100円で流通するコンテンツって、どんな質なのか気になりませんか?他には、PCゲームとかもやったことないですが楽しそうです。アダルトのCD-ROMなんかも売ってます。
以下、ダイソーについて分野ごとに語りたいと思います。

  • 文庫本

梶井基次郎の「檸檬」、あと萩原朔太郎の詩集を持ってます。夏目漱石なんかも揃ってます。書店だと400円ぐらいするものが安く買えたりするので、古典を読むときはチェックしてみるといいかもしれませんね。活字も読みやすく、振り仮名があったり、難しい単語には解説が付いていたりと至れり尽くせりです。

  • その他本類

クロスワード数独などのドリルがあります。英語、ドイツ語、ロシア語などのテキスト&リスニングCDなんかもあります。

  • CD

ジャズやクラシックのCDがあります。200円商品が多いです。最近ジャズを聞き始めたのですが、入門用にちょうどよいです。詳しくレビューされている方がいらっしゃるので、参考にさせてもらっています。

  • 文具

文具のコーナーにはいつも人がいますね。ファイルなんかを購入する方が多いようです。アイデア商品も多くあります。(以前「修正テープ付きボールペン」を見かけて衝撃を受けました。本来消しゴムが付いている部分に、修正テープがどん!!と付いてるやつ。)

  • オーディオ用品

イヤフォンの音質が非常に良いということで、話題になりました。私の近所の店ではそれほど品揃えが多くないので、手に入らないのが残念です。

「イレイザーヘッド」デヴィッド・リンチ

 不気味な映画が見たいなーと思い、(Wikipediaによると)カルト映画として名高いこちらを鑑賞。デヴィッド・リンチ監督の映画学校の卒業制作の作品。一応あらすじとしては、主人公である男の元彼女?メアリーが奇形児を出産し、この世話を2人ですることになるも、メアリーはストレスにより実家に帰ってしまう。残された男は義務として世話をするも、次第にストレスが溜まっていく。そんなある日、向かいの部屋の女と一夜の関係を持つも、女が他の男とも寝ていることを目の当たりにして絶望する。そして最後には奇形児をハサミで刺し殺してしまう。という話である。
 タイトルである「イレイザーヘッド」とは、消しゴム付き鉛筆のことらしい。作品中で男の悪夢?として、自分の生首を原料に消しゴム鉛筆が生産される場面がある。ストーリーには直接に影響を及ぼしていないこのシーンだが、これがタイトルになっている以上大きな意味を持っているのだろう。私は、男が自分の存在の軽さを実感し、消えていく自分を感じた、ということでひとまず理解している。
その他にも謎めいたモチーフとしては、

  • メアリーとその母親がいきなり発作?を起こす
  • 台所で座っているおばあさんが全く動かない
  • 食事で、股ぐらから血を噴き出すチキン(おそらく奇形児の出産を意味している?)
  • 男の部屋にある、祭壇のような観音開きの棚(神聖な場所?)
  • そこに祀った、男が大事そうに持っていたナメクジのような生物
  • ベッドサイドにある土に突き刺した木の枝 (斬新な生け方です。。)
  • 脳髄の長い芋虫みたいなもの
  • 歌うおたふくみたいな女の人 (理想の女性なのか?)

がある。
 あと、冒頭などで「穴」から出たり入ったりするイメージが頻繁に写しだされる。これはやはり出産と関係するんだろうな。うーん。ひとつひとつに意味を持たせること自体適切なことなのかも分からない。誰か解説してる人いないかな。ちなみに友人と鑑賞したのですが、彼はすごくつまんなそうでした...

<補足>
作家の乙一さんが、世界で一番おもしろいと思ってらっしゃるのがこの作品だそうです。

「回想電車」赤川次郎

夏の文庫本フェアの棚にあったので手に取った。短編集。筆者自身会社員だった経験からか、サラリーマンの話が多い。仕事に追われる毎日のなか、ふっと妄想にふける感じがリアル。本の最後に収録されている、表題作でもある「回想電車」がとてもよい。電車の中で揺れる思い出が切なく、ラストを飾るにふさわしい作品。